Copilot Chat を業務で使っていると、同じ準備を毎回くりかえしていることに気づきます。
長めの指示文をどこかから探してきて貼り付け、参照させたいファイルを添付し、そこでようやく本題を書く。この4手順が毎回です。だんだん面倒になって、結局使わなくなります。

エージェント機能を使うと、この準備を最初の1回だけに減らせます。 コードは書きません。
1. エージェントは「指示」と「ファイル」を覚えておく箱
難しく考える必要はなくて、毎回やっていた準備を先に登録しておくだけです。
| 毎回やっていたこと | 登録先 |
|---|---|
| 長い指示文を貼り付ける | 手順(Instructions) |
| 同じファイルを添付する | ナレッジ(Knowledge) |
一度作れば、2回目からは本題だけを書けば済みます。 指示も参照先もエージェント側が覚えています。
作ったエージェントはチームに配れます。 全員が同じ指示文で使うことになるので、人によって出力の質がばらつかなくなるのが、個人的には一番大きいと思っています。
2. 登録する項目は4つだけ
画面の [構成] タブに、文章で書いていきます。

| 項目 | 上限 | 何を書くか |
|---|---|---|
| 名前 | 30文字 | 何をするエージェントか分かる名前 |
| 説明 | 1,000文字 | 一覧に出る紹介文。配る相手が選ぶ手がかり |
| 手順(Instructions) | 8,000文字 | 毎回貼り付けていた指示文。出力の形式や禁止事項も |
| ナレッジ(Knowledge) | 下記 | 毎回添付していたファイルや参照させたいサイト |
効くのは手順(Instructions)です。 8,000文字まで書けるので、「口調」「出力の形式」「書いてはいけないこと」までまとめて指定できます。毎回のチャットで書ききれなかった前提条件を、ここに全部押し込めます。
テンプレートから始めることもできますが、自分が毎回貼り付けていた指示文を、そのまま手順に移すのが一番早いです。すでに実績のある文章だからです。
3. 追加費用なしで使える範囲には線がある
ここが実務上いちばん重要です。ナレッジに指定できるものは、ライセンスによって変わります。
| ナレッジ | 上限 | 追加費用なしで使えるか |
|---|---|---|
| 公開されている Web サイト | 4件 | 使える |
| アップロードしたファイル | — | 使える |
| SharePoint のファイル・サイト | 100件 | 有償ライセンスが要る |
| OneDrive のファイル | 50件 | 有償ライセンスが要る |
| Teams のチャット | 5件 | 有償ライセンスが要る |
| Outlook のメール | — | 有償ライセンスが要る |
追加費用なしの Copilot Chat で作れるのは、公開 Web サイトとアップロードしたファイルを知識にしたエージェントまでです。
「社内のSharePointを丸ごと参照するエージェント」は無償の範囲では作れません。 ここは Microsoft 365 Copilot のアドオンが要る領域で、組織データを自動で読む機能そのものが有償だからです。区分の詳細はCopilotの「有償版」は3段あるにまとめました。
ただしアップロードしたファイルは使えます。 「規程集のPDFを3つ入れておく」「製品マニュアルを読ませておく」といった使い方なら、無償の範囲で十分成立します。更新のたびに差し替える手間はかかりますが、そこを許容できるなら実用になります。
4. 作るときに効いたこと
公式のベストプラクティスで、実際に効くと感じたものを挙げます。
入れる知識は必要なものだけにする。 ファイルを増やすほど賢くなるわけではなく、むしろ関係ない文書に引っ張られて精度が落ちます。迷ったら減らすほうが結果がよくなります。
登録の前後で同じ質問を投げて比べる。 ナレッジを足したことで本当に答えが変わったのかを確認します。入れたつもりで効いていないことがあります。
手順には「やってほしいこと」より「やってほしくないこと」を書く。 出力の形式、使わない表現、推測で書かせない指示。このあたりを明示したほうが、結果が安定しました。
5. どんなものを作ると効くか
毎回同じ準備をしているものが候補です。
- 議事録の整形: 形式が決まっていて、毎回同じ指示を出している
- 問い合わせの一次回答: 規程やマニュアルを添付して答えさせている
- 資料のたたき台: パワポを作らせるときの体裁や章立ての指示を固定しておく
逆に、毎回まったく違うことを聞く用途には向きません。 指示を固定する意味がないからです。「同じ指示文を2回以上コピペした」が、作るかどうかの分かれ目だと思います。
6. まとめ
- エージェントは「毎回の準備」を先に登録しておく箱。コードは書かない
- 指示文は手順(Instructions)へ、ファイルはナレッジ(Knowledge)へ
- 手順は8,000文字まで。 毎回書ききれなかった前提をここに全部入れる
- 追加費用なしで使えるのは、公開Webサイト4件とアップロードしたファイルまで
- SharePoint・OneDrive・Teams・メールを参照させるには有償ライセンスが要る
- 知識は入れすぎない。 関係ない文書に引っ張られて精度が落ちる
- チームに配れる。 人による出力のばらつきが減る
- 毎回違うことを聞く用途には向かない
同じ指示文を2回コピペしたら、エージェントにする合図だと思っています。作るのに5分もかからないので、試す価値はあります。


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