Amazon BedrockでClaudeを呼び出そうとしたところ、次のエラーで止まりました。
An error occurred (ResourceNotFoundException) when calling the Converse operation:
Model use case details have not been submitted for this account.
Fill out the Anthropic use case details form before using the model.
If you have already filled out the form, try again in 15 minutes.
IAMの権限は足りていて、リージョンにもモデルは存在します。それでも呼べません。原因はAnthropicモデル固有の「ユースケース申請」が未提出だったことでした。しかも、以前この手の設定を行っていたコンソールの「モデルアクセス」ページは廃止されています。
本記事では、この状態の切り分け方と申請手順を、実際に東京リージョンで確認した内容でまとめます。
1. 「モデルアクセス」ページは廃止されている
以前のBedrockには「モデルアクセス」というページがあり、使いたいモデルを選んで有効化する運用でした。現在このページを開くと、次の案内だけが表示されます。
Model access page has been retired. Serverless foundation models are now automatically enabled across all AWS commercial regions when first invoked in your account.
つまり、サーバーレスの基盤モデルは初回呼び出し時に自動で有効化されるようになりました。事前の有効化操作は不要です。
ただし同じ案内の中に、次の但し書きがあります。
Note that for Anthropic models, first-time users may need to submit use case details before they can access the model.
Anthropicモデルだけは例外で、初回利用時にユースケース詳細の提出が必要です。ここが今回の引っかかりどころでした。
2. 原因を切り分ける
推測で設定をいじる前に、CLIで状態を確認します。get-foundation-model-availabilityは4つのステータスを返すので、どこで止まっているかが一発でわかります。
# モデルの提供状況を確認する
aws bedrock get-foundation-model-availability \
--region ap-northeast-1 \
--model-id anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0
エラーが出ていたときの出力は次のとおりでした。
{
"modelId": "anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1",
"agreementAvailability": {
"status": "NOT_AVAILABLE"
},
"authorizationStatus": "AUTHORIZED",
"entitlementAvailability": "AVAILABLE",
"regionAvailability": "AVAILABLE"
}
それぞれの意味は次のように読みます。
| 項目 | 意味 | この時の状態 |
|---|---|---|
authorizationStatus | IAMの権限があるか | AUTHORIZED(問題なし) |
entitlementAvailability | アカウントが利用資格を持つか | AVAILABLE(問題なし) |
regionAvailability | そのリージョンで提供されているか | AVAILABLE(問題なし) |
agreementAvailability | 利用規約への同意が済んでいるか | NOT_AVAILABLE |
問題はagreementAvailabilityの1点だけでした。IAMポリシーやリージョン設定を疑う必要はなかったわけです。
申請状況そのものも確認できます。
# ユースケース申請の内容を取得する
aws bedrock get-use-case-for-model-access --region ap-northeast-1
未提出の場合は次のエラーになります。これで確定です。
An error occurred (ResourceNotFoundException) when calling the GetUseCaseForModelAccess operation:
You have not filled out the request form. Fill out the form before getting access.
3. ユースケース申請フォームを開く
「モデルアクセス」ページが廃止されているため、申請フォームには専用のメニューがありません。Playgroundでモデルを選ぶと自動的に表示されます。
- BedrockコンソールでPlaygroundを開く
- 「モデルを選択」をクリック
- カテゴリでAnthropicを選ぶ
- 任意のClaudeモデルを選んで適用
ここでSubmit use case details for Anthropicというダイアログが開きます。
4. 申請フォームの入力項目
フォームには次の案内が書かれています。
Anthropic requires first-time customers to submit use case details before invoking a model, once per account or once at the organization’s management account. The information you submit will be shared with Anthropic.
アカウントごとに1回だけ(AWS Organizationsを使っている場合は管理アカウントで1回)提出すればよく、内容はAnthropicに共有されます。
入力項目は5つです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Company name | 会社名。個人開発者なら屋号や自分の名前で問題ありません |
| Company website URL | 会社サイト。個人ならブログや自分のサイトのURLで構いません |
| What industry do you operate in? | 業種。選択肢に無ければOtherを選んで自由入力できます |
| Who are the intended users? | Internal users(社内向け)とExternal users(社外向け)から該当するものを選択。両方可 |
| Describe your use cases | 用途を500文字以内で記述。個人情報や知的財産は書かないよう注意書きがあります |
用途の記述は、何を作るのか・誰が使うのかが伝わる程度に具体化しておくと安心です。筆者は次のような内容で提出しました。
Individual developer running a technical blog about infrastructure and cloud
engineering. Self-hosting Dify, an open-source LLM application platform, on
AWS EC2 to build and evaluate internal AI assistants. Planned use cases:
summarizing internal technical documents, answering questions from a
self-hosted knowledge base, and assisting with IT operations and script
writing. Models are accessed through Amazon Bedrock using an EC2 IAM role.
For internal and personal use only.
審査というより申告に近いもので、個人利用でも問題なく提出できます。
5. 反映を確認する
提出後、すぐには反映されません。エラーメッセージにも「15分後に再試行」とあります。筆者の環境では数分で通りました。
# 同意状況を確認する(AVAILABLE になれば反映済み)
aws bedrock get-foundation-model-availability \
--region ap-northeast-1 \
--model-id anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0 \
--query "agreementAvailability.status" --output text
AVAILABLEに変われば完了です。実際に呼び出して確認します。
# 疎通確認(推論プロファイルIDを指定する)
aws bedrock-runtime converse \
--region ap-northeast-1 \
--model-id "jp.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0" \
--messages '[{"role":"user","content":[{"text":"Reply with exactly: OK"}]}]' \
--inference-config '{"maxTokens":16}' \
--query "output.message.content[0].text" --output text
6. モデルIDではなく推論プロファイルIDを指定する
ここでもう一点つまずきやすい箇所があります。新しめのモデルは、基盤モデルIDをそのまま指定すると弾かれます。
An error occurred (ValidationException) when calling the Converse operation:
The provided model identifier is invalid.
推論プロファイルIDを指定する必要があります。利用できるプロファイルは次のコマンドで確認できます。
# 利用可能な推論プロファイルを一覧表示する
aws bedrock list-inference-profiles --region ap-northeast-1 \
--query "inferenceProfileSummaries[?contains(inferenceProfileId,'claude')].inferenceProfileId" \
--output text
東京リージョンでは3種類の接頭辞が並びます。
| 接頭辞 | 意味 |
|---|---|
jp. | 日本国内でのみ推論するプロファイル |
apac. | アジアパシフィック圏でクロスリージョン推論する |
global. | グローバルでクロスリージョン推論する |
データを国内から出したくない要件がある場合はjp.を選びます。モデルによって用意されている接頭辞が違う点に注意してください。筆者が試したときは、Claude Haiku 4.5にapac.のプロファイルは存在せず、jp.のみでした。
7. IAMポリシー
呼び出し側に必要な権限は次のとおりです。推論プロファイル経由で呼ぶ場合、プロファイルと基盤モデルの両方をResourceに含める必要があります。片方だけだとアクセス拒否になります。
{
"Version": "2012-10-17",
"Statement": [
{
"Sid": "ListModels",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"bedrock:ListFoundationModels",
"bedrock:GetFoundationModel",
"bedrock:ListInferenceProfiles",
"bedrock:GetInferenceProfile"
],
"Resource": "*"
},
{
"Sid": "InvokeModels",
"Effect": "Allow",
"Action": [
"bedrock:InvokeModel",
"bedrock:InvokeModelWithResponseStream",
"bedrock:Converse",
"bedrock:ConverseStream"
],
"Resource": [
"arn:aws:bedrock:*::foundation-model/*",
"arn:aws:bedrock:*:123456789012:inference-profile/*"
]
}
]
}
アカウントIDの部分は自分の環境に置き換えてください。
8. まとめ
Bedrockでモデルが呼べないときの切り分けを整理します。
- コンソールの「モデルアクセス」ページは廃止されている。事前の有効化操作は不要
- ただしAnthropicモデルだけはユースケース申請が必要。フォームはPlaygroundでモデルを選ぶと出る
- 原因の特定は
get-foundation-model-availabilityの4ステータスを見るのが早い - 申請はアカウントごとに1回。個人開発者でも提出できる
- 反映には数分〜15分かかる
- 新しめのモデルは推論プロファイルID(
jp./apac./global.)を指定する - 推論プロファイル経由で呼ぶIAMポリシーには、プロファイルと基盤モデルの両方を書く
本記事の内容は東京リージョンで実際に確認したものです。コンソールの構成は変更されることがあるため、画面が異なる場合はget-foundation-model-availabilityの出力を手がかりに切り分けてください。
次回は、ここで用意したBedrockをアクセスキーを発行せずにIAMロールのままDifyから使う手順を解説します。DifyのセルフホストについてはCloudFormationでAWS上にDify環境を自動構築するで扱っています。

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